京騒戯画 4話
「京騒戯画」の第4話から。
八瀬ご乱心の回。
粗筋
駅開きが始まった。物が壊れない鏡都で不要になったものを流す行事だ。八瀬は過去の駅開きで母の古都との思い出のぬいぐるみを鞍馬に流された経験があり、この時期になると機嫌が悪くなる。そんな八瀬が気に入っているカップが流れてしまった。怒りと悲しみのあまり、鬼と化す八瀬。その様子を見たコトは流れてしまったカップを探すが見つからない。元はと言えば、と鞍馬にカップを譲ってくれるように頼むが、鞍馬は頭を縦に振らない。コトが食い下がると取ってこられたら譲る、と鞍馬はカップを流してしまう。それを追い、何とか見つけたコトは八瀬に鞍馬のカップを進呈するが、傷心の八瀬はまたも暴走。コトはこれを食い止め、八瀬もコトの優しさに触れたためか機嫌を直した。
所感
八瀬にとって古都がいかに大切な存在だったかが分かる回だった。好きな気持ち、憧れる気持ち。そんなものが詰まった思い出の品を失った行事とあっては、駅開きはさぞ苦々しいものであったろう。しかし、コトのハンマーについたぬいぐるみに古都を見出したようで、気持ちも安らかになったようだ。最後に鞍馬への感謝の辞があったこともそれを裏付けている。心まで鬼にはなっていないようだ。