アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

僕らはみんな河合荘 12話

僕らはみんな河合荘」の第12話から。

最終回。

粗筋

本好きの集まりに誘われた律が同級生の前村に連れてこられたのはカラオケボックス。実際、そこにいる人たちは本好きなようだが、律は居心地の悪さを感じる。宇佐からのメールもあり、途中で律はその場から抜け出す。河合荘最寄のバス停には宇佐の姿。疲れた、と律は宇佐にこぼす。翌日、律は、前村が他の友人と仲違いをしたために焦って律と仲良くなろうとしていたことを知る。本の話で盛り上がっていたのが自分だけだと思い、律は涙を流す。

後日、お隣さんから頂いた梅酒と梅ジュースに舌鼓を打つ河合荘の面々。ここで律が誤って梅酒を飲んでしまう。そして心の通じている友人がいる彩花を羨ましがったと思えば、律の身の無事を喜んだ宇佐に怒り始め、最後には甘味を欲し始める。自室のお菓子を取ってこようとする宇佐に律が絡み始めるや否や、麻弓が先頭を切って宇佐の部屋を探り出す。翌日、酔いの冷めた律が目にしたのは、律が読んでいる本の内容を何とか理解しようと宇佐が作ったまとめノート。律はノートに追記し、部屋を後にする。宇佐はそれに気付き、律の後を追う。律に追いつき、ノートの話をした後、宇佐は律と携帯電話の番号とメールアドレスを交換。少し縮まった律との距離に宇佐は感動するのだった。

所感

遂に律が友達を欲するようになった、という変化が大きい。本の趣味を分かち合える友人が手に入ったと思っては裏切られ、手に入ったと思っては裏切られしているうちに、まだ律には及ばないものの、律の世界を理解しようと懸命になっている宇佐と一歩近づいてエンディング、というのが心憎い。自分の世界を閉じていた律が大きくなったことに感慨を思えずにはいられない最終回だった。

総感

高校進学を機に「河合荘」での下宿生活を始めることになった男子高校生の青春物語。管理人の姪孫に惚れ込んだ主人公目線でストーリーは進行してゆく。恋愛の動きが実にスローモーションで、しかも最終的に結実しないため、何とも見ていてもどかしくなるがそれも甘酸っぱい青春の一ページとして楽しめる。恋相手も「恋」を知らぬまま、人間関係に悩みながら成長してゆく。それらの要素が河合荘の色濃い面々とコメディックな演出でコーティングされて実に笑える。絵がはっきりした主線で描かれ、色調もビビッドさを基調として、演出の鮮やかさを引き立てている。笑って少し胸キュン、そんな良いところ取りの一作と言えるだろう。