アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

SHIROBAKO 24話

「SHIROBAKO」の第24話から。

最終回。

粗筋

「第三飛行少女隊」の最終回は無事完成を迎え、ぎりぎりながら放送局への配送も間に合う。その夜開かれた慰労会で、あおい、絵麻、しずか、美沙、みどりはかつてのアニメーション同好会のメンバーが同じ現場にいることに感慨を覚えつつ、いつか自分たちのアニメーションを作ることを見据えるのだった。

所感

アニメーション制作物語の最後は放送局への配達だった。ここでは興津の今までがまた少し見えた。長野の雪道をドリフト走行しつつ、放送局まで無事にたどり着くのである。速度超過を見て追って来た警察官は顔なじみで、興津は「音速の貴婦人」という異名持ち。更には、捕まっておきながら慰労会にはきちんとめかして出席。本当に何者なんだ、興津さん。最後まで秘密多き御仁であった。

あおいが当初から自問を繰り返してきた「何をしたいか」に対しては「アニメーションを作り続けたい」という答えが出された。それはアニメーション同好会メンバーの未来を含んでのことだろう。きちんとした成長物語にしてあるのが心憎い。

大団円の中にもいつものネタは仕込まれていた。例えば、眠気に負けそうなあおいを励ますためにロロが踊ったのが前 ED でのロロの振り付けだったり、放送局へ走るあおいに発破をかけるミムジーとロロが所謂「漫画走り」をしていたり。最後まで笑わせてもらった。

総感

アニメーション制作の現場を題材にした職業ものの作品。現場を細かく演出に取り入れたらしく、表現が一つ一つリアルで説得力がある。キャラクタたちは、自分の仕事と向き合いながら、悩みつつきちんと成長してゆく。その様子が見ていて清々しい。見どころは悩みだけではなく、毎回何かしらの形で出てくるコミカルな表現や、「アニメーション制作」というのを活かした表現。これらが絶妙に入り交じり、軽快なのに説得力があり、コミカルで見ごたえがある、というすごい出来になっている。その下支えとなっている絵は安定しており、不安は感じられなかった。寧ろ、意図的に崩すところは崩し、整っているところは整っている、という頼もしさ。どれを取っても秀作。