アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

乱歩奇譚 Game of Laplace 11話

「乱歩奇譚 Game of Laplace」の第11話から。

最終回。

粗筋

ナミコシは、アケチが来るまで信奉者たちを次々に自殺させることを表明し、それを実行に移してゆく。犠牲者が出てゆく中、アケチは同行したハシバと共に時計塔へ到着し、信奉者たちの自殺は止まったものの、ナミコシとコバヤシは自殺をやめようとはせず、時計塔の端から地面へと身を傾ける。と、アケチとハシバによって間一髪落下を阻止することに成功。ほっとしていると、ナミコシのみアケチへの執念を口にしながら、アケチに捕まれた手を放し、虚空へと姿を消した。

その後も二十面相の事件は後を絶たなかったが、ナミコシの一件は世間に忘れ去られた。そして、今日もアケチの事務所の電話が鳴り響く。

所感

大ボスが姿を消す、というのは王道ながら、続きを期待させられる。続編はあるのだろうか。

一方、犠牲は小さくなかった。ナミコシの信奉者たちの何人かは身を投げ、ミナミは服毒自殺、一件の後も「断罪」は続いたと言うのだから、改めて世界への不安、不満というものの普遍性に身を震わせた。特にミナミは最期の一瞬までいつものコミカルさを保っていたため、ショックが大きかった。

時計塔を登っている最中でハシバが言った「コバヤシは、死なせませんから」は、第8話の例えばコバヤシが殺されたらハシバは仇討ちをするか、という話を受けてのものだろう。その心意気はコバヤシの命を救い、更にコバヤシの世界に光を差した。光が差した結果、コバヤシの視界の中で知らない他人全てにかかっていたシルエットが、一部外れるまでになった。これが他人への興味の象徴だろうか。いずれにしろ、コバヤシが第8話で発した「僕、別に死んだりしないけど?」が全くあてにならなかったことを考えると、ハシバの行動の勇敢さと思い切りの良さには称賛の言葉以外ない。よくやった。

総感

江戸川乱歩の作品に着想を得た、ミステリー&サスペンス作品。舞台演劇のような演出がしばしば用いられていたのが印象的。殺人事件を扱う話がメインのため、人死にが頻出し、またその光景もショッキングなものが多い。人を選ぶだろうが、「正義とは何か」というテーマを独特のカラーリングと演出で描いた良作。