アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

プリパラ 89話

「プリパラ」の第89話から。

2nd シーズン最終回。

粗筋

ひびきとふわり、ファルルがヨーロッパラに帰ることになり、らぁらたちは送別会を開く。そして、盛大に見送られたひびきたちはヨーロッパラへと飛び立ってゆくのだった。

所感

今回は始終笑いっ放しだった。ひびきのキャラクタ設定に触れるのんのメタ発言から始まり、公開中の映画「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」の親衛隊コースのちゃん子のインパクトある 3DCG、ひびきへの復讐に燃えるみれぃ、プリパラの語尾アイドルたちが一斉に登場したことによるひびきの気絶、謎の「語尾カットホン」の存在、などなど、枚挙にいとまがない。

その中にあって最も印象が強かったのはやはりプリパラ名物 3DCG でのライブシーン。今回はふわりの持ち歌「コノウタトマレイヒ」をひびきとふわりがデュエットするのだが、「ふわふわ」といったひびきから想像されない合いの手をひびきが入れ、メイキングドラマではセレパラ歌劇団のライブで見られたひびき像が登場し、とどめにセレブ属性のひびきが渾身のボケを披露するもののふわりにあっさりかわされるというコメディーをやってのける。ひびきの持っている高潔で孤高なイメージから大きく離れたこの演出に、腹が痛くなるほど笑った。

しかし、上記のようなひびきの行動はひびきの内面に変化があったことの象徴に他ならない。身を挺してのボケなど、登場したばかりの頃のひびきでは到底考えられない行動だ。そこには、ひびき自身が周囲の人たちと心理的に近くなったことが窺える。そこにはふわりの存在が不可欠。かつての無邪気だった自分をふわりに見出したが故にふわりに惹かれ、ふわりもそれを受け入れることでひびきは精神的に一人ではなくなった。そして、かつて人間としての自分を終わらせるシンボルだったファルルは

あなたは、僕の永遠の憧れです。

というセリフからくめるように、あくまでも憧れであることに変化はなく、ファルルを、ひいては過去のひびきを否定しないスタンスを取ることになった。過去の傷は消えない。それでもそのことを知った上で明示的に支えてくれるふわりがいる。過去の自分が辿った道の先にいたファルルも自分の存在を喜んでくれ、ひびきもそれを受け入れている。世界全てを信じていなかったひびきが、自分を許容してくれる場所を知ったのだ。「BAKA」ボックスに自分の人形を投げ入れた行動もそのメタファーだろう。幼少期に裏切りと恐怖ですくんでしまったひびきの心の癒えが、これから始まる。ひびきにはふわりと共に後生幸せに暮らしてほしい。なくてはならない、安藤を従えて。