アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

ゲゲゲの鬼太郎 第6期 5話

ゲゲゲの鬼太郎 第6期」の第6話から。

妖怪と人間が共にいられない回。

粗筋

妖怪ポストに届いた依頼を受け、鬼太郎はある村へ。依頼主の男、翔は男の母親、マサエに懐いている妖怪を追い払ってほしいと言う。その妖怪は「すねこすり」。姿かたちは猫によく似ているが、人間の気力を吸う性質を持つため、マサエを徐々に弱らせていた。自分はただの猫であると思っていたすねこすりは、自分がマサエの不調の原因であることを鬼太郎に指摘されて逆上し、行方をくらませる。そんなこととは知らないマサエはすねこすりを探しに森の中へ入り、熊に出くわしてしまうが、巨大化したすねこすりに助けられる。マサエを探していた翔はすねこすりの姿を見付け、驚きつつも、母を守るためすねこすりの前に立ちふさがる。すねこすりはこれ以上マサエを苦しめぬようにと、翔に追い払われた振りをしてその場を立ち去る。そして、鬼太郎は翔たちに礼を言われ、村を後にするのだった。

所感

すねこすりがマサエの元を自ら去って行く様子が感傷的であった。すねこすりとマサエは互いに互いを思いやる仲であった。それ故に、マサエを苦しめたくないすねこすりは自らの正体を明かし、マサエの元を離れようとする。しかし、マサエがすねこすりの正体を知った後でも態度を変えないのを見るや、一芝居打ち、姿を消すのだ。そして道中思い出を噛みしめていたすねこすりは涙を流す。マサエとの生活という居場所を失ってしまったからだろう。その泣く様は何とも実感がこもっており、切なくなる。しかし、かつて鬼太郎が口にしていたように、妖怪の世界と人間の世界は交わってはいけない。通底するこのメッセージが、(少なくともすねこすりからすると)救いのない今回のエピソードを通して描かれたように感じられ、今までのホラー色の強いエピソードを含めて、第6期を迎えた本シリーズの制作スタンスをうかがわせた。