アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

たまゆら ~もあぐれっしぶ~ 9話

「たまゆら ~もあぐれっしぶ~」の第9話から。

たまゆらにしては珍しい感じのキャラクタが出てきた回。

粗筋

「憧憬の道」が近づいてきた竹原の町。準備にいそしむ楓たちのもとに、和馬とマエストロの友人である夏目が来訪する。夏目は楓の写真に辛口のコメントをする。その様子を見たかなめは夏目に物申すと飛び出していってしまった。後を追う楓たち。気を取り直して撮影を再開する楓とかなえはりほに遭遇する。夏目のことを話すと、りほは写真撮影に大切なことを教えてくれた。りほと別れ、かおるたちと合流するためにほぼろへ向かうと、かおるたちがほぼろの前の夏目をの様子をうかがっている。ここで楓は思い切って夏目に話しかけ、一緒に入ることに。ほぼろもかつて訪れたことがあると言う夏目と話す楓。憧憬の道の話題から写真、そして和馬との思い出話になり、夏目が語るのを聞く一同。技巧や構図を気にする夏目に対して、和馬は好きなものを撮影したいと言っていた、と。憧憬の道の竹明かりと夏目から昔の父の姿を見たような楓であった。

所感

夏目は本作においては中々見られない人物だ。仏頂面を崩さず、物言いはストレート、言葉に出すのも厳しいものが多い。しかし、珠恵やマエストロの言うところでは素直になれない気持ちの裏返しらしい。実はそういう意味では「たまゆら」らしいキャラクタなのかも知れない。

そんな夏目は和馬の写真と憧憬の道についてこう語っている。

あいつの好きという思いがあふれんばかりに写ってた。この竹明かりもだ。まぶしい光じゃないが、この町を好きだという思いだ。どっちも、どうしようもなく心に届く。

「好きだ」という純粋な思い。言い方こそストレートな夏目だが、その実、心で思っていることはうまく言葉に表せないからこそ、和馬の写真も憧憬の道の光も彼の心に入ったに違いない。

また一方で、夏目からコメントされて楓が頭を悩ませるシーンもあった。そんな楓に対して、りほは自身の体験も交えながら

今は写真が好きっていう気持ちを育てるときなのかも、そのカメラと一緒にね。

と、楓にアドバイスしている。芸術性があるからこそ、その見方・捉え方に個性が出てしまう写真。楓はりほのアドバイスを受けて気持ちが晴れたようだった。悩みながらも、きっと「ど真ん中」な写真を撮り続けてくれることだろう。