アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

たまゆら ~もあぐれっしぶ~ 9話

「たまゆら ~もあぐれっしぶ~」の第9話から。

かなえが迷い、考え、納得する回。

粗筋

卒業を控え感傷的な気分のかなえは皆で撮影旅行に行くことを提案する。「私達展」が今年も開催できる運びになったことも重なり、目的地は麻音の実家の旅館に。到着後、楓とかなえは写真を撮る。かなえは途中で楓と別れ、かおるたちが私達展で発表することのきっかけを聞いて回る。そして、自分だけ目指す方向もきっかけもないことに悩み、卒業したくなくなるが、麻音の両親からアドバイスを受ける。楓たちと乙女座でライブを見るかなえは、その2人組が麻音の思い出の歌手だったことを知り、きっかけの連鎖の存在を知る。そして、自分のきっかけが写真部に入ったことだと自覚すると、先へ進む決意をするのだった。

所感

今回かなえが知ることになった「きっかけ」とは今までと違う景色をみる始まりの地点のことだろう。一人学年の違うかなえにとって、後輩たちが何かに向かって進んでいる様子を見ることは焦りないし不安が伴うものだったようだ。今回の旅の発端も

私、もうすぐ卒業だから、やりたいって思ったことは何でもやっておきたいの。悔いの残らないように。

というかなえの発言だった。そんなかなえへの桜田夫妻の助言

麻音も潮の流れを感じたんでしょうな。だから漕ぎ出した。誰でも同じですよ。そういうもんなんです。

潮が、来なかったら?

来ます、必ず。

必ず、来る?

はい。それがいつかは誰にも分からんですが、必ずです。

麻音も今はまた汐待のときですね。

一番やりたいことが決まらんようだしなあ。でもまた漕ぎ出していくでしょう。そういうもんなんです。

は、何かをしなくてはならない、でも何か分からず不安だ、という気持ちに駆られていたかなえにとってまさに助けとなったに違いない。

汐待の長さも出発の時もみんな違う。(略)そして出発の時にはちょっと勇気が要る。(略)そういうもんなんだ。

自分が漕ぎ出さなければ船は動かない。だから一足先に海へ漕ぎ出すんだ。

というセリフからは焦らずに前進しようという気概が見られる。

なお、かなえの心情表現がメインだった今回の中でも、A パートの、怒っている状態からポプリをかいだ瞬間眠に入ったのりえに対して、かなえが「のりえちゃんって面白い」と言ったところは、思わず、確かに、とうなずきながら笑ってしまった。少し面白いのも良い。