アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

SHIROBAKO 22話

「SHIROBAKO」の第22話から。

やっぱり順調なのは嵐の前兆だったことが判明した回。

粗筋

「第三飛行少女隊」の最終話の作画監督補佐に絵麻が抜擢され、アフレコも終わったタイミングで、原作者から最終話の絵コンテにリテイクが出るのだった。

所感

制作上の色々があるにせよ、順調だった「三女」に久々の原作者からの駄目出しが出た。しかも今度はエピソードの屋台骨、絵コンテである。この状況打破は容易そうでないだけにいかに解決するかがとても楽しみだ。

絵コンテリテイクという大きな動きだけではなく、キャラクタの深掘りが行われたのが今回の印象的なところ。例えば平岡はかつて情熱を持っていた頃に心を折られたときの回想が行われる。平岡が真面目なだけに見るに忍びないシーンだったが、それが行われていたのがタローとの酒の席だったことで悲しさが感動へと転じる。タローが平岡の過去に共感して涙を浮かべ、過去の苦労をねぎらうのだ。その姿は、いつも仏頂面の平岡が笑顔を見せるほど。この作品の後半に入ってからというもの、タローがどんどんナイスキャラクタになってきているのが楽しい。

酒の席と言えば今回はタローと平岡に加えて、色指定・検査の新川と動画検査の堂本が屋台で酒を酌み交わすシーンが出てくる。内容としてはプライベートの話から仕事の愚痴という、よくあるものではあるが、今まで殆ど描かれたことがなかった2人だけにファンとしてはありがたい場面だった。

同じ酒つながりで出てきた中でもしずかは様子が違う。自宅で缶酒を飲みながら、人気声優の出演する番組に羨望のセリフを一人吐き、しまいには酔いつぶれて寝てしまうのだ。気分が落ちているように見えたが大丈夫だろうか。

目覚ましく成長を遂げたキャラクタもいる。久乃木だ。今までは絵麻が通訳してやっと絵麻以外の第三者とコミュニケーションをとれていたが、今回は作画打ち合わせに単独で赴き、自ら質問をする。それもちゃんと文章で、だ。今までは、セリフの頭一文字のみを発する、という凄まじい会話方法を披露していただけに、木下たちも驚いたらしく、質問時の久乃木のテンションに引きずられて回答を返す。

久乃木「これは! 下着! ですか!?」

木下「はい! これは下着です!」

山田「ノアの下着です!」

円「それは白いです!」

久乃木のテンションもさることながら、謎の手の動きも面白かった。色々と見ごたえのある回だった。

今回のハイライト

タローと平岡が飲んでいるときに、タローが平岡へ手拭きを表彰状に見立てて「表彰」するシーン。タローのマイペースぶりが平岡の暗い過去による悲壮な情感を微笑ましいものに変化させたのが大きい。