アニメと音楽のメモ帳

アニメと音楽についてまとまりない文章を。

蒼の彼方のフォーリズム 12話

「蒼の彼方のフォーリズム」の第12話から。

最終回。

粗筋

フライングサーカス秋季大会決勝戦。カードは明日香 vs. 沙希。明日香は対沙希用の練習の成果を発揮し、優勢に立つ。すると、沙希はバランサーを完全に切る策に出、あっと言う間に明日香に追い付き、そのスピードで明日香を翻弄。試合は制限時間を迎え、勝負は延長戦にもつれ込む。追い込まれた明日香は自らもバランサーを切ることを決意。試合直後こそ晶也たちの心配通りバランスを大きく崩すものの、すぐ立て直し沙希と接戦を繰り広げる。そして長く続いたドッグファイトの末、明日香が勝利を収め、見事優勝の座に輝く。会場は歓声に包まれ、地方大会は幕を閉じるのだった。

所感

バランサーを切った明日香が海上で復活するシーンが格好良かった。水飛沫と共に喜びに満ちた顔の明日香が現れ、その直後劇中歌が流れ始める。主人公が復活するシーンの演出の王道だけに胸が震えた。

また、このシーンから始まる明日香と沙希とのバトルは芸術的ですらあった。それまでも2人は軌跡、コントレイルを描いていたが、バランサーを切ってからはコントレイル自体の華やかさが増し、同時に2つが複雑に絡み合うことで形状としての優美さが現れていた。目にも楽しい試合であった。

そんな2人の試合で、明日香はもとより沙希、イリーナ、晶也、更には各務まで笑顔になったのが印象深い。それぞれがそれぞれにフライングサーカスへの並々ならぬ想いを抱いているだけに、明日香たちの試合のもたらした熱、あるいは進化がいかに大きな意味を持っていたかが窺える。壮大な大団円という最終回らしい王道の展開であった。

総感

架空の競技「フライングサーカス」を題材にしたスポーツもの。空を飛ぶ爽快感とその軌跡が目と心に優しい。試合も戦術や駆け引きなどの見所が多く飽きさせない作りになっている。キャラクタたちは一度挫折を味わうこととなるが、それぞれの想いを抱えつつ乗り越えてゆく。フライングサーカスを通して成長してゆくその様には胸を熱くさせられる。