響け! ユーフォニアム 11話
「響け! ユーフォニアム」の第11話から。
再オーディションの回。
粗筋
再オーディションの日が訪れ、部員たちと滝の前で麗奈と香織はソロパートを演奏。得票数では互角だったものの、香織が麗奈を認め、ソロパートは麗奈が担当することになったのだった。
所感
前回悶着を引き起こした優子をして、麗奈の実力自体には気付いており、
一年でこの音って、ずるいよね。反則だよ。
とコメントしている。それは、理性は麗奈の優位性を語っているものの、感情がそれを許さず、苦しんでいる、という状態と言える。再オーディション直前に優子が夏紀の背中に顔をうずめるシーンは、それを物語っているかのようで何とも切なくなった。
優子をそんな状態にした麗奈の演奏は、優子が語る通り、音色の時点で香織のそれとは別物であった。麗奈の音は輪郭がはっきりしており、正にソロ然としている。そんな実力の持ち主、麗奈をもってして今回の舞台は不安の要素があったのか、
久美子は、もし私が負けたら、嫌?
と、久美子に漏らしている。第8話で久美子に自分と同じ匂いを感じたからだろうが、ここから始まる会話が凄まじく、印象に刻まれた。
久美子「嫌だ……。嫌だ!」
麗奈「どうして?」
久美子「麗奈は特別になるんでしょう?」
麗奈「……そうね」
久美子「麗奈は、他の人とは違う。麗奈は、誰とも違う。人に流されちゃ駄目だよ! そんなの馬鹿げてるでしょう?」
麗奈「でも、今私が勝ったら悪者になる」
久美子「いいよ! その時は私も悪者になるから! 香織先輩より、麗奈の方が良いって! ソロは麗奈が吹くべきだって言う。言ってやる!」
麗奈「ほんとに?」
久美子「……多分」
麗奈「やっぱり久美子は、性格悪い」
久美子「!」
麗奈「そばにいてくれる?」
久美子「うん」
麗奈「裏切らない?」
久美子「もしも裏切ったら、殺して良い」
麗奈「本気で殺すよ」
久美子「麗奈ならしかねないもん。それが分かった上で言ってる。だってこれは、愛の告白だから」
久美子と麗奈の強力で熱い信頼感が、映像と音声から質量を持って伝わってくるよう。
さて、こんな調子でソリストが麗奈に決まったが、合奏ではどうなるだろうか。期待と不安が混じる。